「紙」と「堺」にこだわり紙の魅力で堺を発信するコミュニティ・カフェ

 堺市内で最も古い歴史を持つ山之口商店街、昭和初期の頃は心斎橋と並ぶほどの繁華街だったそうです。その山之口商店街の中ほどに、紙雑貨を扱うカフェがあります、その名も「紙カフェ」。2年半前のオープン以来、かわいい紙雑貨やオリジナル名刺に魅かれて多くのお客さんが訪れる人気のカフェです。

紙カフェ_外観
山之口商店街にある紙カフェ
 

ライター活動を通して見えてきた 知らなかった堺の魅力を発見

 紙カフェ店主をされている松永友美さんは、生まれも育ちも堺の生粋の堺っ子。現在9歳と4歳のお子さんのいる子育て真っ最中のお母さんです。松永さんのお姉様が代表をされている堺地域情報サイト「つーる・ど・堺」では、取材のため堺中を飛び回るライターとしても活躍中です。

 紙カフェをオープンする以前の松永さんは、取材を通して様々な人と出会う中で「堺には世界で活躍するような凄い人がいっぱいいるんですよ。そういう素晴らしい人がいるという事実を知ってしまったら、知れば知るほど発信したいし、知ってほしい!っていうおばちゃん根性でね、自分には伝えるための使命があるんじゃないか?ってすごい感じたんです。今のまま小さなところから発信するだけでいいのか?」と思ったそうです。その思いが紙カフェを始めるきっかけになったそうです。

紙カフェ_松永友美さん1
目をきらきらさせて堺の魅力を語る店長の松永友美さん
 

カフェメニューにも紙と堺へのこだわりが満載

 刃物の町にちなんで「玉鋼」で焙煎したジェットコーヒーさんの「堺珈琲」はなんとお抹茶茶碗に入って運ばれてきます。宝泉菓子舗さんの甘納豆が添えられていて、これまた堺にゆかりのある千利休の茶の湯の世界を彷彿とさせます。

紙カフェ_堺珈琲・紙パフェ
抹茶茶碗に入った堺珈琲と紙カップに入った紙パフェ
 
 人気メニューの「紙パフェ」は珈琲味と抹茶味の2種類あり、なんと紙の器に入ってきます!珈琲味には三喜屋珈琲さんのコーヒーゼリーが、抹茶味には宝泉菓子舗さんのあんこが入っています。ここにも堺への愛着が満載です。抹茶味も紙パフェをいただいたのですが、見た目にもお洒落な器がなんと紙製なんです。陶器やガラスと違い、軽くてアイスの冷たさが手に直接伝わらないので、カップごと手に持って手軽に食べられます。
 

紙の持つたくさんの可能性で堺の魅力を伝えたい

 お母様が印刷会社の代表を務めていることもあり、松永さんにとって紙製品は身近な存在でした。それと、ご自身が飲食関係の仕事をしていたことから、好きな紙雑貨とカフェのお店をしようと考えていました。扱う紙モノはもちろん地元「堺」にちなんだ柄を中心に取り扱っています。
 堺をイメージさせる柄の一筆箋やマスキングテープ、ハンコは大人気です。眺めているだけでわくわくしてきて、誰かに手紙が書きたくなりました。今はメールやラインでのやり取りが主流です。が、時には大切な人に手紙で伝えてみるのも、相手への思いが込められていて素敵だなと思いました。

紙カフェ_商品
「堺柄」の一筆箋は思わず何か書きたくなります
 
 「堺に観光に来る方だけでなく、地元の方にも来てもらいたい。そして堺にはいろんなお土産があると知ってほしいし、堺に行ってきた!と言えるお土産物がもっとあればいいなと思うんです」と堺への熱い想いを語る松永さん。

 紙カフェでは、堺にちなんだ旧堺燈台や古墳、自転車、南海浜寺駅舎など全18種類の「堺柄」を展開しています。それらの堺柄を地元堺のお土産物にも使ってもらいたい、広めていきたいと考えています。

紙カフェ_印刷
ホウユウ株式会社さんで印刷される「堺柄」
 
 また、オリジナル柄で名刺の印刷もうけているのですが、その時にお客様の希望を聞くそうです。その人が抱えている思いを話を聞きながら引き出していく「名刺セラピーみたいな感じですね」と話す。「何色がすきですか?どんなものが好きですか?」などその人の抱えている思いを聞き出し、相手の方の頭の中に合ったぼんやりしたものを、名刺という一つの形に完成させる。お客様に満足してもらえた時には「やった!」と松永さん自身も嬉しくなるそうです。

 「第一印象も大切だし、何より自分の名刺に愛着を持ってほしい。名刺に自分を表現することで、1枚の紙で想いを伝えられることはすごいことだと思います」と名刺に込められたメッセージを大切にしてほしいと話す。

 「名刺だけでなく、自分の好きなデザインでオリジナルの紙雑貨を作りたい、そんな風に思ってもらえたら。そうすることでアンテナショップとしての役割を果たせたら素敵ですね」と笑顔で語っていただきました。

紙カフェ_紙モノコーナー
店内にある紙モノコーナーは女性好みの紙雑貨がたくさん!
 

紙とカフェを通して地域のコミュニティを広げたい

 紙カフェを運営するにあたって、街づくりや活性化も一つのテーマに掲げています。約170の企業・商店が集まって大小路界隈「夢」倶楽部という地域を盛り上げようと街づくり活性化に尽力している団体があります。松永さんも参加していて、地域を盛り上げる活動にひと役買っています。

紙カフェ_松永友美さん2
「ここにいるのが一番幸せなんです」と楽しそうな松永さん
 
 「紙はいろんな可能性を持っているんです。地域のためにも役に立ちたい。堺の価値を観光客だけでなく、地元の人にもっと認識してもらいたいんです。地元の人に堺のもっている価値を見直してもらいたい」と大好きな場所から、大好きな堺を発信していく松永さんはとても魅力的でした。
 

 紙カフェ  詳細情報

取材協力:紙カフェ・ホウユウ株式会社
取材日:2014年11月5日
取材・撮影:いしかわいづみ

紙カフェ

堺の地域情報サイト『つーる・ど・堺』がプロデュースする紙モノ好きな人たちのためのコミュニティ・カフェ。 コンセプトは「紙でつなぐコミュニティ。」堺にちなんだかわいい紙雑貨にカフェメニューもますます充実!地域の皆さんが集える“場”として「堺」と「紙」に徹底的にこだわります。

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