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今から約20年前、TVチャンピオン(テレビ東京)の「ケーキ職人選手権」で優勝し、グランドチャンピオン大会、日仏大会でも優勝。その名が一気に全国区になった横川哲也氏。その後オーナーパティシエとしてオープンした『菓子工房 T.YOKOGAWA』は毎日長蛇の列だったそうです。少しでも早く食べていただくために、お菓子は店舗2階の工房と1階のキッチンで作っています。平日・休日を問わず開店直後からたくさんのお客様が訪れる大人気の洋菓子店。その人気の秘密とは?2004年に新たにオープンした和泉中央本店でお話をお伺いしてきました。
奇をてらったデザインはいらない
いい素材だけを使う、基本に忠実に作る、安心で美味しいものをお客様に届けたい。当たり前のことをきちんと作れば、本当においしいお菓子ができる。そんなこだわりを持ち続け、今では全国的にも名前の通ったお店になっている『菓子工房 T.YOKOGAWA』。ショーケースをのぞいてみると確かにどれもおいしそうですが、それほど奇抜なデザインのものは見られませんでした。「新鮮な素材を使って、ベーシックなところにこだわって、保存料を使わないで作ったものは食べ飽きないんです。まずは食べてみて下さい、ということで奇抜なものは作ってないんです」と話してくださったのはマネージャーの永山さん。
画像提供:T.YOKOGAWA
「袋を開けた時の風味や香りも楽しんでもらいたいという気持ちで作っているので、性質上必要なお菓子以外脱酸素剤を使っていません。そのため他のお店の商品に比べて賞味期限は短いんです。脱酸素剤を使うとね酸素だけでなく焼きたてのお菓子の香りや風味まで吸い取られてしまうんです」。お菓子は生きもの、新鮮なうちに食べてもらいたいというこだわりからだそうです。私も時々お菓子を買いに行くのですが、新鮮な素材を厳選して使っているというだけあって、季節ごとに新しいお菓子に出会えるのも楽しみの一つです。
画像提供:T.YOKOGAWA
和泉市の特産品を使った和泉スイーツ
そんなお店には地元和泉市から、特産品のフルーツを使った商品の開発を依頼されることもあります。フルーツの品質を保つためにもジャムに加工して使用するなど、工夫や試行錯誤に時間を惜しまなかったそうです。そうして出来上がった商品が和泉蜜柑たっぷりの「和泉蜜柑ロール」。ふわっふわのスポンジ生地とオリジナルクリームに完熟ミカンをたっぷり練りこんで、和泉市への愛情も一緒に巻き込んだ商品です。蜜柑の食感とさっぱりとした甘さのクリームで、いくらでも食べれそうです。
和太鼓チームとのコラボ商品
また、T.YOKOGAWAが手掛ける『いずみ太鼓』は、地元和泉市を中心に活躍する和太鼓チームとコラボレーションした商品です。パッケージも太鼓の形をしていてバチまでついているんです。見た目にも楽しいこちらの商品は、オンラインショップでは販売していないプレミアム商品。
見た目に興味をそそられ、食べておいしく、食べた後も楽しく遊べる『いずみ太鼓』。その中味はレーズンと甘すぎないクリームをサクサクのクッキーで挟んだレーズンサンドです。レーズンが苦手な私でも「この味は好き」と思わせるほどの美味しさでした。
未来のパティシエたち
そんな菓子工房 T.YOKOGAWAの一端を支えているのが、こちらの工房で修行に励む若い人たちです。店内から見えるガラス張りになった厨房の中で忙しく働いている未来のパティシエたち。鹿児島、岡山、宮崎など出身地はさまざまです。T.YOKOGAWAのお菓子に魅かれてここで働く彼女たちも、お菓子の美味しさを守り続ける原動力になっているんですね。