老舗製茶企業が作る 本物の抹茶アイス

 高石市の伽羅橋駅より徒歩5分にある、1850年創業のつぼ市製茶本舗。社長は「茶葉鑑定士6段」の段位を持つ五代目の谷本順一さん。本当においしい茶葉を求めて谷本社長自らが、全国の茶園を飛び回るほどこだわりを持つ企業です。お茶の老舗であるつぼ市製茶の新商品「利休抹茶あいすくりーむ」の開発秘話とともに日本茶の素晴らしさを熱く語っていただきました。
 

利休生誕の地・堺で創業 焼け野原からの再興

 つぼ市製茶本舗は、嘉永3年(1850年)3月、堺市堺区南旅籠町に「茶商 やまいち」として創業しました。しかし、昭和20年(1945年)空襲で、自慢の堺造りの土蔵・三棟が焼け落ちてしまいます。その年の9月に、高石市に本社を移転し、営業を再開。その後、高度成長期の昭和45年には、日本茶の消費が増え、消費に需要が追い付かず台湾茶の輸入に踏み切ります。これが、日本における烏龍茶ブームの走りとなりました。

 現在販売している煎茶「特選 利休の詩」は、大阪産(もん)名品に認証されています。大丸心斎橋店内に販売店を展開し、堺市内にはカフェを併設した茶寮もオープンしています。

つぼ市製茶
 

日本茶の素晴らしさ

 今回お話しいただいたのは、営業部アソシエイトで日本茶インストラクターの資格を持つ、野村要輔さんです。実は野村さん、幼いころからあまり日本茶を飲む習慣がなかったそうです。この会社に就職し、資格などの勉強のためにお茶を飲むようになり、日本茶の素晴らしさを実感したそうです。

 その一つが日本茶の成分です。代表的なものとして、カテキン・カフェイン・テアニンなどがあります。それらは、血中コレステロールの低下や体脂肪低下作用、抗酸化作用、利尿作用、血圧低下作用など数多くの素晴らしい効能があります。

 それから、自宅でお茶を飲む機会が増えたことによって、家族との会話も増えたとおっしゃる野村さん。茶葉を急須に入れ、お湯を注ぎ茶葉が開くのを待つ。ほんの短い時間ですが、家族との会話が生まれるきっかけになったそうです。

つぼ市製茶
 

抹茶が香るアイスクリーム

 つぼ市製茶本舗では2013年11月、カフェを併設した「茶寮 つぼ市製茶本舗」を堺市堺区九間町東(阪堺線・神明町駅すぐ)にオープンしました。カフェメニューの一つとして開発したのが「利休抹茶あいすくりーむ」です。私も試食をさせていただきました。まず色が鮮やかな深い緑色で、口に入れた時にお茶の香りとコクが広がり、抹茶の甘みがしっかりと味わえるアイスクリームです。このアイスクリームの開発には、構想から発売まで約2年の歳月を費やしたそうです。

 抹茶は光や空気に触れると変色したり、風味が損なわれてしまうデリケートさを持っています。世間で「抹茶スイーツ」として流通しているものには、抹茶の使用を抑え、色や香りをつける添加物に頼っているものが多いそうです。

つぼ市製茶
 
 しかし、製茶業者であるつぼ市では本物の味を知ってもらいたい、と言う思いをこめ、アイスに合う茶葉探しからスタート。アイスの製造を委託する工場では、お菓子業界のこれまでの常識から外れた分量に、なかなか理解してもらえず何度も試作品を作り直したそうです。
こうして出来上がった利休抹茶あいすくりーむは口コミで評判が広がり、大人気商品になっています。

 現在、学校などでも「お茶の入れ方教室」を開催するなどして、日本茶の普及に努めているつぼ市製茶本舗。日本茶の良さが見直されている今、日本茶を飲むきっかけになってほしいとの思いから、高級日本茶を、手軽に飲めるティーバッグの開発・販売している。日本茶を飲むことで家族や友人との会話が広がるきっかけにもなってほしいと話してくださいました。

つぼ市製茶

 株式会社つぼ市製茶本舗  詳細情報

取材協力:株式会社 つぼ市製茶本舗
取材日:2014年4月4日
取材・撮影:石川いづみ

株式会社つぼ市製茶本舗

日本茶インストラクター、いわばお茶のプロフェッショナルが多く在籍する
堺創業の「お茶屋さん」が作った、おいしい高級抹茶アイス!

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