人造真珠をはじめ、アクセサリー用ガラス玉やプラスチック玉の製造販売メーカー。和泉市の展示販売所「Rehanna(リアーナ)」でも素晴らしい人造真珠(フェイクパール)を販売されている上田真珠硝子工業所さんを訪ねました。
JR阪和線・信太山駅より山手に少し上がった、陸上自衛隊信太山駐屯地近くの住宅街にある上田真珠硝子工業所。案内していただき中に入るとふわぁ~と塗料の香りが漂っていました。海外の多くの高級有名ブランドからもOEM商品の製造を依頼されている魅力とは?
信頼される高い技術力によって産み出される製品、その製造工程をご紹介します。
人造真珠の製造工程は「枠張り」といい木でつくられた横長の小さい窓枠に似た「枠」に、針金の通った原玉を束の中から一本ずつ引き抜いて張っていきます。この原玉は「貝」「ガラス」「プラスチック」の3種類があります。
針金を通した原玉の束を右側にひっかけて、一本ずつ引き抜いては枠に張っていく作業を繰り返します
原玉の束(左からプラスチック、貝、ガラス)
次に、「調節」といって原玉どうしがくっつかないように、機械ですきまをあけます。玉の大きさによってあけるすきまの間隔が変わるため、機械の設定も毎回調整が必要になります。
機械のバーをゆっくりと横にずらせていくと、数本の針金が斜めに張られたローラーのようなものが玉の上を転がり綺麗に間隔をあけていきます。
そして「ディッピング(塗装)」と「乾燥」を行います。特殊な薬品が配合された真珠質の塗料で、泡が立たないように染めます。こちらはまた別の部屋で作業をされていましたが、その部屋に通された時、眼や喉の奥まで刺激を感じました。しばらくすると慣れてきましたが、この中で1日中作業されるのは大変なことだと実感しました。
原玉が等間隔に並んだ木枠を機械の枠にはめてゆっくりと塗料の中につけていきます。この時泡が立たないように慎重に作業を進めていきます。
色によって塗料のつき方が違うので「塗装」と「乾燥」を6~7回繰り返します。普通の工場では約20~30種類ほどの塗装ができるそうですが、上田真珠硝子工業所さんでは約400種類もの色を扱っているそうです。
仕上げの工程で人造真珠を商品に加工しているところを見せていただきました。熟練の技で手際よく完成していくので見とれてしまいました。
完成した人造真珠はパーツとしても出荷しますが、商品に仕上げてから出荷をすることもあります。日本国内だけでなく、アメリカやヨーロッパなど、なかには誰もが知っている高級ブランドのOEM商品としても出荷しています。『商品として出荷する時にね、パーツを仕入れるのに何カ所も回らなあかんこともあるんです。ほかには指示書通りやったら穴が小さすぎて使われへんかったりね』とご苦労されたお話を聞かせて下さったのは上田博之社長。
皆さんお忙しい中、手を止めて撮影に協力してくださったり、話しかけても笑顔で答えて下さいました。世界に通用する素晴らしい品質はこうした笑顔からうまれるのですね。